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開催報告
開催日 | 2016年10月12日(水)開場18:20 開始:19:00~21:00 |
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場 所 | ミューザ川崎 研修室1 |
会 費 | 2,000円(軽食費込) |
テーマ | ネパールの現状から考える女性の自立 |
講 師 | アンジャナKC |
参加者 | 14名(キャンセル1名) |
セミナーの模様
10月12日のセミナーは、ネパールで自ら障がいを持ちながら、障がい者と女性の自立のための活動を行っているアンジャナKCさんをお迎えして、講演を行っていただきました。
ネパールの現状から考える女性の自立
<プロフィール>
アンジャナKC(28歳)ネパールのポカラ在住。
自立生活支援センターILS-Pokhara財務担当。
先天性骨形成不全症で幼少期から自立歩行が困難。
2012年「ダスキンアジア太平洋障がい者リーダー育成事業」に選ばれ、10か月間日本で学ぶ。
2015年ネパールの女性と障がい者が製作した商品を日本で販売する事業、および日本の古着をネパールで販売する事業を立ち上げる。
2016年障がい者女性団体DWECを設立。
(DISABLED WOMEN EMPOWERMENT CENTRE)
ネパールは、世界最高地点エベレストを含むヒマラヤ山脈および中央部丘陵地帯と、南部のタライ平原から成る国です。アンジャナさんが住むポカラは、ネパールで5番目位の町で、トレッキングの拠点になることから、観光客が多いところです。
2008年に王制を廃止して、統治はこれからで正しい人口すら不明で戸籍も怪しい状態の国です。
アンジャナさんが語ってくれた背景を少し加えると、障がいを持つ子供を産むと母親は離婚を余儀なくされ、家から追い出されるそうです。自身が障がい者となった時も同様で、家から追い出され、働く場所もないそうです。障がいを持っていても、生まれたところでしか、障がい者手帳が交付されないため、障がい者手帳すら持っていない障がい者が多くいるということです。
アンジャナさんは、自らの生い立ち、学校のこと、ダスキンの研修を受けた日本でのこと、日本から帰国してからのネパールでの活動、そしてこれからのことをわかりやすい日本語で参加者に語ってくれました。以下からは、レポートですがアンジャナさんの言葉をより伝えるために、アンジャナさんを一人称(私)で表現します。
ネパールはバリアだらけの国
私は、6人家族(両親、こども4人)の末っ子として生まれました。姉は同じ先天性骨形成不全症を持ち14歳で他界しました。
教育を受けることにより、友達に出会い、自分以外の障がい者の方と出会うことができました。障がいを持つ人は誰もが、もがいていて幸せではなく、重い障がいを持つ人には人権さえない状態です。たとえ、教育を受けることができてもできる仕事がありません。私は、決意しました。「必要なことをもっとやっていこう。なぜなら私は、教育をうけたのですから」と大学に入り、初めて車いすを体験しました。大学は遠いため、通学困難なので、自立する方法を考えていました。毎日先生にトイレに車いすでいけるスロープをつけてほしいと訴え実現させました。
大学卒業後も、ずっと障がいを持った人が家の中だけで生活しているので、どうしたらよいか?障害者の人権活動、女性の差別、障害者の差別をなくすための活動を考えていました。
2012年に日本のダスキンがアジアの障がい者リーダーを育成するために募集していることを知り、10か月日本で勉強するチャンスに恵まれました。その時に日本語、日本の文化、障がい者の活動を勉強しました。
ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業
http://www.normanet.ne.jp/~duskin/
ネパールに戻ってから
帰国してからは、バリアフリーを進めるためにどうしたらいいかを考え、実行してきました。
- すべてを かえることは できない
- しゃかいを かえる たいせつな なにかが できると しんじる
- バリアフリー、のりもの、みち、たてもの、しごと どうやって できるか?
ネパールの問題点としては、
- 貧困の女性障害者は教育を受けていない
- バリアフリーでないから
- 障がい者にできる仕事が少ない
- 障がい者の活躍と人権を守ることができない
ネパールでは、障がい者は家に閉じこもり動物のような生活を強いられています。また障がい者を産んだ人は差別にあい、そして離婚されます。
障がい者である私が、経済活動をするには、以下のような背景があります。
- 政府が信用できない
- バリアフリーにするための活動
- 自立するための仕事
- 仕事があれば希望ができる
- 仕事があれば外国で危ない仕事をしなくていい
ネパールでは、学生ビザで外国に行き、仕事をしてネパールに送金する人が多くいます。危ない仕事を海外でするので毎月たくさんの死体が送られてきます。自分の国に仕事があることが大事なのです。
仕事をつくる
貧困の女性が作った品物を日本で売ったことで得たお金でボカラに小さなお店を持つことができました。現在、2名の障がいを持つ女性がお店で働いています。そこで、海外からの観光客が多く集うポカラの町に障がいを持った女性が働くカフェを作りたいと考えました。
そのためにクラウドファンディング(Crowdfunding)を利用して、カフェをつくる資金を得るために来日しています。
私には、3つのWillがあります。
1つめは、今回の来日目的でもある「ポカラ初 バリアフリーCafeを作る」ことです。
2つめは、「ポカラ初 バリアフリーゲストハウスを作る」、そして、3つめは、「バリアフリー寮を立ち上げる」ことです。
ネパールでは、障がい者に部屋を貸してくれません。大学の近くに部屋があれば教育を受けることができるようになります。大学に通うことは、決して仕事を得るためやかしこくなるためだけでなく、友達と出会う機会、話す機会を得ること、チャンスを作ることができます。
スシラさんのお話
スシラ ブジェルさん
1993年生 22歳 学生
DWECのメンバー
今回の来日にアンジャナさんの介護人としてスシラさんが同行しています。スシラさんは、幼いころに火傷を負ったことで障がい者となりました。スシラさんは、アンジャナさんと出会って、自信を持つこと、人と違っていいということを学んだと言います。
<補足>アンジャナさんが住むポカラの町
トレッキングコースの入り口のため立ち寄る人も多く外資系のホテルも立ち並んでいます。ポカラには、観光客向けのカフェが多くあり、ここに障がいを持つ女性が働けるカフェを作るのがアンジャナさんの来日の目的です。
アンジャナさんがチャレンジしているクラウドファンディングはこちら
READYFOR?
「ネパールで障害女性が自立生活するためのカフェをつくりたい」
https://readyfor.jp/projects/PokharaSunriseお話しを聞いて
アンジャナさんのお話を聞いて、想像にも及ばないネパールの国と障がいを持つ方の現実を知りました。日本の障がい者が、恵まれているとは決して思っていませんが、ネパールは50年以上、日本より様々なことが遅れてると感じました。アンジャナさんの自身が障がいを持ちながらも自身の力で何かを変えていこうという姿勢には感銘を受けます。講演後も質問が後を絶たず、アンジャナさんに色々な意味で逆に勇気をもらった時間でした。
(C.F記)
今後もいろいろなセミナーを企画中です。
ご都合に合わせ、是非ご参加ください。
受講者の声
- プロジェクトへのアンジャナさんの思いが伝わりました。実際にお話をうかがう機会は大切ですね。
- 文化の違い、環境の違い、初めて聞く事が多くおどろきとショックでいっぱいでした。とても日本語が上手くてびっくりしました。子どもや後輩に話したい事、伝えたい言葉がたくさんありました。
- 私たちには想像できないような困難な中で、大志を抱いて頑張っていらっしゃる姿に感銘を受けました。微力ながら支援させていただきます!
- 国境を越えた手助けがもっと出来る方法はないのか?と考えさせられました。ありがとうございました。
(アンケートより抜粋)
※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)
今後の開催予定は、こちらから