キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2021年4月15日(木)19:00~21:00
場 所Zoomによるオンラインセミナー
会 費正会員1,000円 準会員2,000円
テーマメンタルヘルスと家族
講 師吉田幸世
株式会社システム・ロジックス 経営推進部、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー
参加者 18名(欠席1名)

 

セミナーの模様

今回のキャリア研究会は、「コロナの影響でオンラインセミナーを始めて1年が経ちます。コロナ禍でメンタル面でのサポートが必要な人が増えている現在に丁度よいタイミングで吉田さんをお迎えしてのセミナー開催となりました。今後実験をしながらハイブリッドでセミナーを開催していきたいと思っています。」という野木会長の挨拶からスタートしました。

講師にお迎えしましたのは、株式会社システム・ロジックス 経営推進部の吉田幸世(よしださよ)さん。「メンタルヘルスと家族」についてお話していただきました。
吉田さんは、キャリアコンサルタント、産業カウンセラーの資格を持ち、株式会社システム・ロジックスにおいて、営業の傍ら、MHS事業部(メンタルヘルスと人事労務サポート事業)を設立し、コラム等を連載後、うつ病に関する書籍も出版されています。


「家族がうつになったら」

吉田さんのご家族がうつ病を発症され、休職となりました。診察の付き添いや、同じ病の家族会や集まりに顔を出すうちにうつ病の理不尽さを実感したといいます。
この経験から、患者を取り巻く立場の違った様々な方を取材し“あなたの家族が「うつ」になったら”を出版。さらに産業カウンセラー、キャリアコンサルタントの資格を取得されました。



家族が精神障害やその他の障害になったら

患者となった本人はもちろんですが、近くにいる家族もとまどい、責任の一端は、自分にあると思い、自分を責め、つらい思いを抱え、不安に耐えているそうです。
「家族」と一言でいってもその立場は様々で、本人、配偶者、親とそれぞれによって見えることも感じ方も変わってきます。例えば、配偶者である妻とご主人の母親である義母との考えが違って、お互いにお互いの原因探しをして関係性がよくなくなってしまい埋められない溝を作ってしまうのは、よくあることと言えます。
障害受容のプロセスの分類に「コーンの分類」というものがあり、障害を受容するためには、5つのプロセスを踏むといわれているそうです。こういったプロセスにおいて、どの過程にいるかの違いも溝を作ってしまう要因の一つと言えます。

コーンの分類



うつ病の気づきから、復職まで

うつ病について、原因や気づきのところから、病院選び、治療法、復職に至るまでの過程、相談窓口まで、丁寧にお話をしてくださいました。数多くのメンタルヘルスについてのセミナーの中で、家族の立場に焦点を当てたセミナーは数少ないのではないでしょうか。単に資料の説明だけでなく、吉田さんの経験談を交えたお話は、「あくまでも私の経験に基づいた主観」と言われつつも具体的で参考になることが多く、参加者の心に響いていきました。



「家族がうつ病になったときの対処法」

◆全てを当事者に捧げないようにしよう

  • Zoomなどが普及したことで時間や場所の制約がなくなり、営業的にも仕事がしやすく、結果的に仕事が増えた
  • 自分時間を持つ。
  • 仕事はできる限り辞めない。
◆当事者との会話はアサーティブな会話になるように
  • 「you]ではなく「I」で話すようにする。
    例)「あなたが~しないから」ではなく「わたしは~してくれたら嬉しい」
◆原因探しはしないように
  • うつ病の原因を探しても、軋轢や溝を生みやすい。
◆つらくなったら愚痴を言えたり、相談できる場所を確保
  • 家族や友人など、自分の心を開放できる相手
◆無理をしない。休もう



セミナーを終えて

セミナープログラムに毎回参加者の紹介があります。簡単な自己紹介、近況報告、セミナーの感想等を話すことが多いのですが、今回の参加者紹介は、参加者全員が自身の周囲で家族、自分自身・友人・同僚・部下…に起きた(起きている)このテーマに沿った体験を語るという、いつもとは少し違った時間となりました。
今回のテーマは、だれもが他人事ではないという認識があり、関心を示していると感じます。教科書通りだけでなく、吉田さんの経験からの生の声を聴けたことで、他のメンタルヘルスに関してのセミナーとは、一味も二味も違った貴重な時間であったと思います。


最後に、ハイブリッドで開催での試行も兼ねていたため、不手際や音声が聴き取りづらい等がありましたこと、お詫び申し上げます。



次回もオンラインセミナーを予定しておりますので、是非お気軽にご参加ください。



受講者の声

   
  • リアルな体験をお話頂き、とても参考になりました。
    伺ったお話をもとに、自分自身もそうですが、周囲の方の一助となることができるようになりたいと思いました。
  • 家族が鬱になる、何らかの障害を抱える、ということはいつ起こってもおかしくないので、家族内で前もって話すことが大事だと考えました。
    ただ、これがとても難しく(認識の差異があったときは特に)、家族だからこそ感情的な言葉が出やすいため、家族以外に相談できる専門の方を頼るようにした方が良いと感じました。
  • 実体験に基づいたお話し、ありがとうございました。
  • うつを発症した方には「XXXと言ってはいけない」という禁止事項がいくつもあり、職場で対応に困ったことがありました。今回のセミナーで、「You」ではなく「I」で会話すると良いと伺い、少し気が楽になりました。

(アンケートより抜粋)

※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

 

今後の開催予定は、こちらから