キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2019年3月5日(火)19:00~21:00(開場18:30)
場 所ミューザ川崎 研修室2
会 費2,500円(軽食費込)
テーマ アルツハイマー病の革命的治療リコード法とは?
講 師 山口 茜
プサラ研究所 所長、デール・プレデセン代理人、リコード法認定ヘルスコーチ
参加者 24名(欠席1名)

 

セミナーの模様

3月5日の講師はプサラ研究所 所長の山口茜さん。
20年余り前までアメリカでアート関連の編集の仕事をしておられましたが、日本に帰国した当時、幼い息子さんの医療トラブルをきっかけに「家族を守らなければ」と医学ジャーナリストへとキャリアチェンジし、医学系の英字新聞社に就職、さらに2015年に独立し、プサラ研究所を立ち上げました。
医学をわかりやすく伝えることをミッションに活動される中で、アメリカで出版された『アルツハイマー病 真実と終焉』という本に出会い、日本語に翻訳されました。さらに本書で明かされたアルツハイマー病の革命的治療、リコード法を広めるため、日本人初の認定ヘルスコーチの資格も取得され、精力的に執筆や講演に活躍されています。
アルツハイマー病とはどのような疾患か、そしてリコード法とはどのようなものか、お話いただきました。

認知症の薬の開発は99.6%が失敗!

日本の認知症患者は、2025年には65歳以上の5人に1人になると、これまでの調査研究から予測されています。認知症にはアルツハイマー型、脳血管性型、レビー小体型などの種類がありますが、近年、アルツハイマー型認知症が急増しています。アルツハイマーの原因としていくつかの仮説が立てられ、その治療薬開発に莫大な費用が投じられてきましたが、99.6%は失敗だったといわれています。日本の病院で認知症の薬として処方されているものも、効果のある人が少ないため、フランスでは保険適用を外された例もあります。
1980年代から提唱されている「アミロイド仮説」という有力な説があり、アルツハイマーはアミロイドβ(ベータ)という一種のたんぱく質が脳に溜まるために起こるといわれています。アミロイドβを取り除こうとする薬の開発がうまくいかない中、『アルツハイマー病 真実と終焉』の著者、デール・プレデセンは「なぜ、アミロイドβは溜まるのか?」と問いを立て、アミロイドβの役割に着目することからアルツハイマー病の真の姿を解明したのです。

アルツハイマー病の脳は36個の穴があいた屋根

アミロイドβの役割は、大きく3つあります。1つは炎症反応の一部で、脳にウイルスやバクテリア、カビなどが侵入したときに炎症を起こすことで菌と戦っています。2つめは栄養不足時の戦略的ダウンサイジング。例えばホルモンは脳に大切な栄養ですが、年齢を重ねるとともに減少していくため、少ない栄養に適応するよう脳をせん定するかのようにアミロイドβが働きます。3つめは毒物に対する防御作用で、水銀をはじめとする重金属類などの毒物が脳神経を侵さないようアミロイドβが防いでいるのです。
しかし、アミロイドβの菌や毒物に対する攻撃力が強すぎて、脳そのものにダメージを与えてしまう――これがアルツハイマー型認知症の正体といえそうです。プレデセンらによる膨大なデータの分析から、現在アルツハイマー病には少なくとも36の因子があり、「アルツハイマー病の脳は36個の穴があいた屋根のようなもの」とたとえられる複合疾患だと判明しました。これまで開発された薬があまり効果がなかったのも、穴の1つをふさぐだけのようなものだったためと考えられています。
アルツハイマー病は上記の様々な因子から6型に分類されます。

  • 1型 炎症性:ウイルス、バクテリア、カビ、寄生虫や、糖・トランス脂肪などによる炎症
  • 1.5型 糖毒性:糖により炎症が起き、脳の栄養不足も生じる、1型と2型の混合型
  • 2型 萎縮性:脳の栄養不足からくるダウンサイジング
  • 3型 毒物性:重金属、薬物などの毒物が原因
  • 4型 血管性:脳血管の病気が原因
  • 5型 外傷性:頭部のケガが原因

詳細の説明は本を読んでいただくとして、例えばカビは吸い込んでも大きなリスクがあること、水銀はマグロ、サメなど口が大きく寿命の長い魚に多く蓄積されているので食べ過ぎに注意することなど、生活習慣の中にリスクと予防のヒントがたくさんあります。





治療と予防のためのリコード法とは?

「このごろ人の名前が出てこなくなった」という話題は中年以上の会話の定番(?)ですが、アミロイドβは40代から脳に溜まりはじめ、無症状の状態が数十年続くといわれています。その間にアルツハイマー病の因子をなくしたり減らしたりできれば、治療も予防も可能になるわけです。その方法が「リコード法」ですが、因子が多岐にわたるだけに生活習慣全般に関わる「トータル戦略」となります。 プレデセンらの研究チームは、インターネットのサイト上に患者が登録すると、医療機関が検査を実施し16ページに及ぶリコードレポートを作成する、各個人に合わせたテーラーメイドの治療システムを作り上げました(https://apollo.ahnphealth.com/logins/new)。現在、サイトは英語のみで、月75ドル費用がかかります。アルツハイマー病の6型のうち、どの型を何パーセント持っているかという詳細な検査結果がリコードレポートに記され、その人がどんな治療をすればよいかがわかります。各人のもつ遺伝子によっても、すべきことが違ったりするのです。 最後に、誰にでも当てはまるリコード法10か条を紹介します。忙しい方にはなかなか実践できない生活習慣もありますが、できる限り守ってアルツハイマー病をなくしていきたいものです。

リコード法10か条

  1. 夕食は寝る3時間前までに摂る
  2. 夕食から朝食まで12時間は食べない
  3. 炭水化物・糖質は控える
  4. 良質の油(オリーブオイル、アマニ油、ココナツオイル、MCTオイルなど)を摂る
  5. 野菜が主役、肉・魚はわき役(ゆるやかな菜食)
  6. 毎日の運動またはウォーキング
  7. 電気を消して寝る
  8. 毎日8時間(少なくとも7時間)眠る
  9. いびきは放置しない
  10. ストレスを感じたら大きく深呼吸


山口さんが翻訳された本はこちら

『アルツハイマー病 真実と終焉』
デール・プレデセン 著/白澤 卓二 監修/山口 茜 翻訳



今後もいろいろなセミナーやイベントを企画しております。
ご都合に合わせ、是非ご参加ください。


受講者の声

   
  • アルツハイマーを予防できるとは、本当にすばらしい!ことだと思います。知らないと知っているでは大違いなので、たくさんの方に広まって欲しいと思いました。
  • 母が57歳で若年性アルツハイマー型認知症と診断され今も闘病中につき、大変興味深く聞きました。正直もっと早く「リコード法」が確立されていればと悔やまれます。が、自分や子供世代、その次の世代において、これから認知症が減少することを望みます。そしてこの機に自分自身の健康、食生活に留意したいと思いました。ありがとうございました。
  • 今日から毎日6,000歩目指します!ヨガも続けます!平飼い卵も放牧豚も続けます。これからもお掃除と洗濯頑張ります。生活習慣に気をつける事が大切なことが良くわかりました。
  • とても勉強になりました!ありがとうございました。母も認知症なのですが、思いあたることたくさんありました。私は「カビ」を減らす、どんどん捨てることに決めました。

(アンケートより抜粋)

※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

 

今後の開催予定は、こちらから