キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

旅 程 2018年6月22日(金)~24日(日)または、25日(月)
目 的
  1. NHK大河ドラマ「西郷どん」などで脚光を浴びる奄美大島を訪れ、(株)フューチャーネットワークスはじめ奄美のIT産業を見る。
  2. 奄美大島の素晴らしい自然と、独特の文化、それに魅了された画家、田中一村の絵画などを見る。
  3. 参加者の相互の交流と連帯感の強化をおこない、強固なネットワークを構築する。
    参加者15名
    訪問先 フューチャーネットワークス奄美開発センター、宮古崎(「西郷どん」ロケ地)、奄美野生生物保護センター、大島紬村、田中一村記念美術館など

     

    奄美大島研修旅行レポート 報告者:佐藤和子

     キャリア研究会では年に一度、国内外で研修旅行を企画しています。今年は幹事の中山いそのさん(株式会社フューチャーネットワークス代表取締役)が奄美のご出身で、横浜本社のほかに奄美開発センターを構えていらっしゃるということから、奄美大島研修が実現しました。
     私は5年前にキャリア研究会で中山さんのご講演を聴き(「いくつかのチャンスから経営者となり今の自分がいる」)、その起業の歩みと故郷に貢献しようという姿勢に感銘を受けておりましたので、ぜひこの機会に奄美大島を訪れてみたいと参加しました。

    ◎1日目:地元企業との意見交換会

    昼過ぎに羽田を発ち、2時間ほどで奄美空港へ。バスで島の中心部の奄美市名瀬に向かい、フューチャーネットワークスの奄美開発センターにお邪魔しました。データセンターを見学させていただき、会議室で意見交換会が開かれました。
    ゲスト講師は株式会社しーまブログ代表取締役の深田小次郎さんと編集長の麓卑弥呼さん(ふもと ひみこ 本名だそうです)。深田さんは奄美出身ですが、ドラマーとして東京でバンド活動をしていたそうです。しかし、故郷への思いは強く、奄美に帰って2010年に「しーまブログ」をスタート、島民の視点からの情報発信を目指します。そこに東京出身で、奄美で新聞記者経験のある麓さんが加わり、移住者の目で奄美の良さを発信することでブログがさらにパワーアップしたそうです。
    2013年にはグルメ情報誌『みしょらんガイド』、2015年には島で暮らす女性のための『Amammy』 というフリーペーパーを創刊、さらに島の不動産サイト「島ズム」、奄美群島のイベント情報カレンダー「sabakuru」、島の求人サイトと隔月求人誌「JOB SENBA」と、「島の発展は情報量に比例する」というスローガンのもと、幅広い情報発信をされています。
    社員は深田社長以外は全員女性ですが、意図的に女性を採用したわけではなく、結果的にそうなっただけとのこと、古民家を改装した社屋に子供連れで出勤する人もおり、ワークライフ・バランスを自然に実現できる環境を整えているようです。女性誌『Amammy』を通じて女子会なども企画、2018年の女子会には2500人もの参加があったそうです。
    しーまブログの取り組みは、地方創生を目指す各地の自治体の注目を集め、「奄美モデル」などと呼ばれているとか。活発な質疑も交わされ、「海外からの観光客を呼び込むといったことより、まず島民から」という地に足の着いた深田社長の姿勢に皆、感心しきりでした。
    意見交換会後のしーまブログの方々を交えた食事会では、島料理「喜多八」で奄美独特の料理を堪能し、お酒に強い参加者は様々な黒糖焼酎の飲み比べも楽しみました。


    ◎2日目:奄美の自然を体感

    大河ドラマ「西郷どん」ロケ地、宮古崎を訪れました。オープニング映像の最後のほうで海を臨む一面の笹原が登場します。小さな駐車場から徒歩20分ほど、山道を歩いてその現場を目指しました。時折りパラパラと雨と強風が吹きつける中、ほぼ終点に見える展望台からさらに岬の突端まで、大部分のメンバーが足元の悪い細い道を歩きました。滑って転ぶ人もいたし、私は折り畳み傘が風にあおられ壊れましたが、皆、海と笹以外何もない風景に惹きつけられていたのだと思います。
    この笹はリュウキュウザサというそうで、一時は荒れていた岬に地元の人たちがリュウキュウザサを甦らせようと栽培と手入れを重ね、一面の笹原を実現させたのだそうです。「西郷どん」にも出たことだし、看板やら何やら観光客向けのものを置きがちだと思うのですが、駐車場にのぼりが1本あるだけで岬には何もなく、自然だけを満喫できるのが素晴らしいと移動のバスの中で語り合いました。

    昼前にはお天気も回復し、フクギ並木やアランガチの滝、ケンムンガジュマル、大浜海岸など、奄美の大自然を体感する場所をご案内いただきました。
    夜は島唄と食事が楽しめる「吟亭」へ。三線(さんしん)を弾きながら見事な島唄を披露している方が、なんと中山社長のお姉様というサプライズ! 演奏後に三線に触れ、弾き方を教えていただいたり、お店の方のリードでお座敷のテーブルの周りをまわりながら皆で踊ったりと楽しい時間を過ごしました。
    中山さんから奄美の踊り方は手の動きが沖縄とは逆で、「福を招く」ように手前へ、とお手本を見せていただき、しなやかな舞いに見惚れました。

    ◎3日目:奄美の文化を知る

    予定になかったにもかかわらず、「水間黒糖」に立ち寄ることができました。テレビ「ブラタモリ」にも登場したそうで、サトウキビの絞り汁を煮詰めていく様子を目の前で見せていただき、作業場に隣接する売店でできたての黒糖を買い求めました。
    「大島紬村」では、大島紬ができるまでの複雑で精密な手仕事の工程を見ることができ、高価なのも当然と納得、見学最後の商品が陳列された建物ではお財布の紐を緩めた方も多かったようです。
    「奄美大島酒造」では、黒糖焼酎の工場を見学しました。原料として輸入物ではなく、奄美産の黒糖のみを使うことにこだわっているそうで、黒糖は新鮮なものほど風味が良いと教えていただきました。販売コーナーでは、製造量が少なく東京周辺で手に入りにくい黒糖焼酎がずらりと並び、試飲とお買い物を楽しみました。
    旅程の最後は空港にほど近い奄美パーク内、田中一村記念美術館へ。田中一村は明治時代に東京に生まれた日本画家ですが、画壇に認められず、自ら信じる芸術を追求するため50歳で奄美に移住し、奄美の自然を描き、遺しました。伝統的な奄美の高倉を模した建築と、田中一村の若いころの作品から奄美移住後の代表作までをゆっくり鑑賞しました。

    美術館を出るころに激しい雷雨に襲われ、空港に着くと私たちが搭乗する飛行機は福岡に止められ大幅遅れとのこと。しかし、いち早く空港内のファミレスに席を確保してくださったメンバーがいて、キャリアのこと、職場のことなど「キャリア研究会」ならではの話題が尽きず、数時間の遅れも互いの親睦を深める機会に転じることができました。
    梅雨の時期であったにもかかわらず、会長はじめ「晴れ女」ぞろいだったためかお天気にも恵まれ、たいへん充実した奄美研修旅行でした。ご多忙の中、行き届いた準備をしてくださった中山さん、お仕事の都合で参加できなくなったにもかかわらず、参加者の親睦を深める「しおり」を準備してくださった小早川さん、そしてこの旅を発案してくださった野木さんに感謝いたします。

    追記
    4名(劉、樽屋、眞鍋、野木)は、皆さんより一日長く奄美に滞在しました。
    大雨の中、皆さんと空港で別れ、レンタカーでホテル方向に。空港では、飛行機は予定通りということで、安心していましたが、まさか、それが福岡に止められ、大幅な遅れになったとは思わずごめんなさい。大雨だったが、西郷隆盛が奄美で最後に住んだ家に立ち寄りました。結構な雨漏りの中、その住人のおじさんがいろいろ説明してくれました。夜はイッサゴレという居酒屋で大満足。

    ◎4日目:原生林を見る

    前日の大雨は過ぎ去ったが、まだ少し雨の残る中、 奄美大島に残る原生林、金作原原生林へ。樽屋さんの会社、エフネットで、奄美出身の方(由緒ある家系の方)がいらっしゃって、そのご協力で紹介いただいたガイドさんの4駆のような車に乗り、いざ、原生林へ。1時間以上かかりどんどん山の中に。そこから約1時間の徒歩散策。雨中(小雨ではあるものの…)足元はそんなに良くなかったですが、あまり気にせずに歩けました。

    雨ならではの原生林は、葉っぱが雨に濡れ、そこに日が当たるという、何とも言えない風情を醸し出してくれます。よくグラビアで見かける景色の中、雨は途中で上がり、素晴らしい!原生林から出て、その後、時間のある限りいろんなところを案内していただきました。名前は忘れましたが、太平洋と東シナ海両方見える岬に案内いただいたり、エフネットの由緒ある家にもご案内いただき、お姉さんという方にもお目にかかりました。確かに由緒ありそうなお宅で、せごどんが最初に世話になった家とか。半日の観光は終わり、飛行機は晴れた空の中、定刻に出発。皆さまありがとうございました。

     

     

    キャリア研究会では、今後もいろいろなセミナーやイベントを企画しております。
    ご興味、ご都合に合わせ、是非ご参加ください。


    ※レポート内の所属及び役職等は、開催当時のものです。(敬称略)

     

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