キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2018年2月27日(火)19:00~21:00(開場18:30)
場 所ミューザ川崎 研修室1
会 費2,500円(軽食費込)
テーマ なぜあの女性は管理職になりたいというのか?
講 師 河北 隆子
日本女子経営大学院 代表理事 学長
参加者 19名

 

セミナーの模様

2月27日の講師は、2015年1月に、日本初の働く女性の為の民間のビジネススクール「日本女子経営大学院」を創立された河北隆子さん。
6ヵ月間、隔週土曜日のカリキュラムで、これまでのコース受講者数は216名。単科クラス213名そのほとんどが企業からの派遣で、その数40社。
ともすると不足しがちな女性の横のネットワークを作ると共に、縦のネットワークもしっかりつなぎ、リーダーとして必要な教育もみっちり。学校法人ではないので、女性リーダーに育てるために必要なコンテンツを限定せずに創り、実践できると、河北さん。
受講生からは、「自信がついた!」「管理職になる覚悟ができた!」「両立の道筋が見えた」「自分らしくていいんだ!」といった声が寄せられており、受講後、昇進・昇格したり、社長賞を受賞するなど多様な実績があがっているそうです。

2017年総括と2018年の打ち手

そんな河北さんの問題提起は、「M次カーブ(※)ほぼ解消?という記事の紹介」という事で、女性就労7割となり、30代の離職も減少するなど、量の部分では一定の成果ですが、質は課題。その一方で男女の賃金格差、処遇格差が依然大きく残っているという現実。

※M字カーブ:女性が出産や育児などによって職を離れ、30代を中心に働く人が減る減少のこと。

2016年にスタートした女性活躍推進法により、各社から数値目標が掲げられ、ようやく女性社員のキャリアを考える研修が取り入れられるようになってきた2017年。
それを受けて、2018年の打ち手は、「組織の中に、質の変化を起こすこと」。女性リーダー育成は、働き方改革・多様化推進の環境や風土に一気につなげられる。女性が自然体のロールモデルで、仕事も子育てもする総合職を増やしていくためには、働き方のシフトチェンジが鍵、とも。

しかし、人と組織の中には、まだまだ誤解も多く、背景に多くの課題が存在しているとして、多くの”あるある”を挙げてくださいました。例えば、役割意識(マイノリティ意識)の既成概念として、「女性が一歩引く、男性を立て合わせたほうが上手くいく」というのが挙がると、参加者からも、そうそう、と言う声が。これは、戦略的にやっているならいいですが、無意識であるとアンコンシャスバイアスとなり、固定観念に自らが気づいていないので、外すことができないとも、ちょっと怖いですね。


女性社員のキャリア開発のスイッチ

では、具体的に、女性社員のキャリア開発のスイッチを入れるにはどうしたらよいか?河北さんはスイッチには大きく3つあるといいます。

  1. 日常と異なる環境を持つ(箱から脱却する)
    自分の会社や自分自身、外の世界が違って見える、そんな体験をもつこと。
  2. 固定観念に気づく
    男性だけでなく、女性自身も女性の成果を低く見る傾向があることを知る。
  3. 自己肯定感を持つ
    「キャリアの8割は予想しない出来事や偶然の出会いによって決定されている」というプランド・ハプン・スタンス・セオリー。あるべき論に苦しまず、日常の偶然を取り込んで自分のキャリアを良いものにしていこうというポジティブなキャリア発想をもち、まずは自分らしくやってみよう、というスタンスを。
    自分を肯定できるからこそ、自分の箱を開ける勇気に繋がるという事でした。

その上で、女性がより上の役割を担うには、自分なりのリーダーシップ・スタイルを持ち、期待に応えるだけでなく自分で期待を創っていくという主体的な行動へ変容させていくこと。その手段として、1.箱から出て、2.多様性から学び、3.サードプレイスを持つことができる社外研修がオススメ、とのことでした。

 

性差による特性をマネジメントに活かす

ここで、最近の女性に関する数字をチェック。

  1. 20代で結婚しない派は何%?
  2. 結婚しても辞めない派は?
  3. 出産しても仕事を継続する割合は?
  4. 女性育休取得率は81%、では、男性の育休取得率はどのぐらい?
(答えは 1. 60%、2. 60%、3. 45%、4. 3.16% :国の各種調査から抜粋)

そんなことを踏まえつつ、
特に男性上司にお願いしたい女性リーダー育成のポイントは、

  • 女性は3回プッシュして当たり前
  • 女の涙にひるまない、フリーズしない
  • 上位概念から下位概念ではなく、下から上に紐づける
  • 指示ではなく、お願いの表現も使えるようにする

など。

女性本人自身に対しては、

  • 短距離から長距離走であることを知らせる
  • 2つ上の視点を学ぶ
  • 仕事の抱え込みをせず、効率を上げ、今の仕事を実施する時間を圧縮して未来の仕事に時間を作る

といったポイントを挙げてくださいました。

盛りだくさんの内容をお話しいただいた後はQ&Aタイム。いくつも質問が出ましたが、例えば、「チームリーダーと管理職になることとの間には大きなギャップがあるのでは?」という質問に対しては、「確かに、女性はチームリーダーは得意。ただ、決断が求められる立場は、上下関係もあり厳しさや孤独感があるため敬遠しがち。でも、『経営目線(鳥の目)から見える景色は面白いよ!』『裁量は自由を創る事でもあるよ』と可能性を見せ、『まずやってみて。違うと思ったら、その後も選択もできるよ』と言ってあげることが大事」とお答えいただきました。

セミナーの後の懇親会にも講師を交え12名が参加。終電を気にしつつも話は尽きませんでした。


キャリア研究会では、今後もいろいろなセミナーやイベントを企画しております。 ご興味、ご都合に合わせ、是非ご参加ください。


受講者の声

   
  • リーダーに興味を持つきっかけ、など参考になりました。河北さんのキャリアにも元気を頂きました。
  • 講義ありがとうございました。いろいろなシーンから説明をいただけて腑に落ちました。
  • こういう大学院がある事を初めて知りました。学んでみたい気持ちもありますが、もっと早く知りたかった。もう遅いかなという気持ちです。
  • 今回先生のお話を伺って、私は恵まれた環境に居るんだなと感じました。まだこれからですが初の女性管理者になれるよう頑張ります!
  • (アンケートより抜粋)

    ※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

     

    今後の開催予定は、こちらから