キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2018年1月27日(土)11:00~14:45
場 所 日立目白クラブ
会 費 \6,000
内 容 新年会と講演、ライブ
テーマ 酵母や乳酸菌の発酵による新商品の研究開発
講 師 柳田 藤寿
山梨大学 学長補佐、ワイン科学研究センター教授、農学博士
参加者 51名

 

2018年 新年会の模様

2018年1月27日(土)、恒例の新年会が開催されました。
この数日前、首都圏では4年振りに20cmを越える積雪があり、雪の残る目白クラブでの新年会となりました。
大雪のため飛行機が飛ばなかったり、今年猛威を振るっているインフルエンザなどで体調を崩されたりと、残念ながらキャンセルされた方もいらっしゃいました。
このように心配な状況ではありましたが、当日はお天気に恵まれ、総勢51名が集い11年目のキャリア研究会がスタートしました。

日立目白クラブ

日立目白クラブ

1928(昭和3)年近衛公爵邸跡地に学習院の高等科寄宿舎として建設された『日立目白クラブ』。
アール・デコ様式の建物は往時のまま保たれ、日立グループ企業の社員・家族が利用できるクラブハウスとして利用されています。
今回も支配人の新栄さんが建物を案内してくださいました。


11年目のキャリア研究会

野木会長

はじめにキャリア研究会 野木会長より新年のあいさつと昨年度の活動報告、そして11年目を迎えたキャリア研究会が目指す方向などについてお話がありました。
自らを少しでも高めていきたい、家庭と仕事を両立させていきたいなど、志のある女性たちにネットワーク作りの場を提供することを目的に発足したキャリア研究会は、現在、年10回程のセミナーや研修旅行などを実施しています。

11年目を迎え、更にニーズに応じた情報交換や交流の場を設けようと、手始めに営業女子分科会とライフプラン分科会を立ち上げました。
また、会員の見える化を図るために登録数が300名を超える会員の皆様に、近々会員の再登録をお願いしたいというお話もありました。
今年のセミナーや社会見学、奄美研修ツアーなどの予定も既に決定しておりますので、是非ご参加ください。

講演『酵母や乳酸菌の発酵による新商品の研究開発』

新年会を開催して10回目となる今年は、「酵母や乳酸菌の発酵による新商品の研究開発」と題し、山梨大学 学長補佐、ワイン科学研究センター 教授、農学博士 柳田藤寿先生にお話いただきました。

柳田講師

柳田先生は、山梨大学生命環境学部の地域食物科学科教授で、日本で唯一ワインを勉強できるワイン科学研究センターの教授でもいらっしゃいます。
元々、酵母や乳酸菌の発酵がご専門で、これを用いて、ワインや食べるぶどうジュース、大豆で作った飲むヨーグルトなど、様々な商品開発をしていらっしゃいます。

講演の冒頭では「最近、週刊文春に取材依頼があった」との仰天発言もあり、会場は騒然となりましたが、詳しくはこの後にご説明がありました。

海洋酵母とワイン

さて、一番初めに開発されたのは、2000年にある製薬会社が持っていた海洋酵母の発酵試験から成分分析をして作ったワインだったそうです。
海洋酵母を使ったワインは、有機酸(リンゴ酸およびコハク酸)と2-フェネチルアルコールというバラの香りがする成分の生産性が高いということがわかり、商品化されました。
記者会見を開き、新聞にも掲載され、120,000本造ったワインはなんと1ヵ月で完売。
現在、海洋酵母は給食のパンや、発泡酒、焼酎、プリッツェルの旨味成分としても使われているそうです。

柳田講師

国内のワインメーカー大手5社は、上位からメルシャン(KIRIN傘下)、サントリー、サッポロ、マンズワイン、アサヒビール。
今年10月から、例えば甲州市で獲ったぶどうを甲州市で発酵させなければ「甲州」というネーミングは使えないなど、表示規制が厳しくなるようです。
ちょうど、日本ワインは国内で生産されたぶどうを使用しなければならないため、メーカー各社が国内でぶどうの作付け面積を増やしているというニュースが報じられていました。

現在、日本は空前のワインブームで、ここ3年で毎年20社ずつワイナリーが増加し、260社あるそうです。 毎年、椿山荘で開催されるワインコンクール(日本で飲もう最高のワイン)のご紹介もありました。
このコンクールは8年目を迎え、一般から募集された80名の審査員と、ソムリエやジャーナリストなどプロの審査員10名で、ノミネートされる約200本のワインが審査されます。
今年は、7月1日に審査会、9月3日には受賞ワインがいただけるパーティー(有料)があるようです。興味のある方は参加してみてはいかがでしょうか?

乳酸発酵飲料の開発

大豆で作った飲むヨーグルト

海洋酵母の他にも、乳酸菌を発酵させて、様々な飲料の開発もされていらっしゃいます。
一つは大豆発酵飲料。大豆は発酵させると青臭さが出ます。これを抑えるためには通常、果汁や乳製品、香料などをブレンドするそうですが、これらを使わずに乳アレルギーフリーの飲料を作ろうというコンセプトで、開発されたのが「大豆で作った飲むヨーグルト」です。
まず、青臭さのない飲料用の山梨産大豆「すずさやか」を使用。大豆を搾り、おからと豆乳に分けますが、おからは食物繊維が豊富で栄養価が高いため、これを微粉末にして使用。このため、女性ホルモンと似た動きをすると言われているイソフラボンが多く含まれています。水は南アルプスの清流水を使用。これに山梨ワイン酵母を入れて発酵させ、出来上がったのが「大豆で作った飲むヨーグルト」プレーンです。
現在はピーチ、ぶどうも発売されています。
この商品ラベルには柳田先生の似顔絵が採用されています。このため、2010年からヘアスタイルが変えられず、毎月山梨から都内の美容院へ通われているというお話もしてくださいました。

また、山梨県の大塚地区で栽培されている「大塚にんじん」を使った乳酸発酵飲料も開発されています。
大塚にんじんは通常のにんじんよりも栄養価が高く、なんと長さが80~120cmまで伸びるそうです。これを掘り出すのは至難の業で、途中で折れてしまったものは商品にならないことから、廃棄されてしまうのですが、それをペースト状にして発酵させ、飲料にされています。
柳田先生が携わる商品は、総じて素材を無駄にせず良い部分が活かされているようです。

幻の湖で採れた酵母

聴講風景

富士山の麓には「富士五湖」と呼ばれる河口湖、山中湖、西湖、精進湖、本栖湖があることは皆さんご存知かと思いますが、実はもう一つ幻の湖があることはご存知でしたか?
それは赤池という、7~8年に一度、降雨量の多い時に現れる幻の湖で、前回出現したのは2011年。ですから、次回は今年か来年出現するだろうと言われているようです。
そこから採取した酵母がブドウを用いて発酵することがわかり、ワインが商品化されています。
赤池幻酵母と名付けられたワインは、2013年~2015年まで醸造されましたが、即完売。
また、富士山赤池幻酵母ブランという銘柄でも発売されています。
ラベルも幻想的で素敵なデザインです。一度味わってみたいですね。

文春でも話題に?!

聴講風景

ひょんなことから製造された「まるごと食べるぶどうジュース」は、その名の通り、皮も種も丸ごと食べられるぶどうジュースです。
ポリフェノールは、種に60%、皮30%に含まれているため、通常のジュースと比べ、ポリフェノールがたくさん含まれています。
種類は、マスカット・ベーリーA、巨峰、そしてシャインマスカットで、特にシャインマスカットはそのままでも珍重されるため、非常に希少なジュースです。
実は、この商品をアンチエイジング特集にと、週刊文春より取材依頼があったそうで、2月に掲載予定とのことです。すっかり耳なじみになった「文春砲」ではなくて、聴講者の皆さんもホッとしたようです。

この他にも、武田神社で採取した酵母が使われたスパークリングワインや、乳酸菌培養液に保湿成分があるなど、時折、面白いエピソードを交えながら、私たちに分かりやすく酵母や乳酸菌の発酵についてお話くださいました。
もっとたくさんお話を伺いたかったのですが、40分という短い時間のため、残念ながら講演はここまで。 しかし、この後のパーティーではワイン会の開催を交渉する参加者もおり、この続きはまたどこかで拝聴できるかもしれません。

参加者集合写真

最後に商品開発の際に心がけていることは、ストーリー性だと語った柳田先生。
様々なメーカー企業が商品開発を依頼したくなる理由がそこに凝縮されている気がしました。
柳田先生のご実家は、柳田酒造という創業100年を越える焼酎の造り酒屋だそうです。幼い頃から、自然と発酵に慣れ親しんできたことが、現在の仕事につながっているようです。
とてもチャーミングな柳田先生が、どんな酵母や乳酸菌で次のストーリーを生み出すのか、とても楽しみになりました。


開発商品はこちらから購入可能です

山梨大学ワイン科学研究センター・白洲屋まめ吉共同開発「大豆で作った飲むヨーグルト」

白洲屋まめ吉「のっぷいの恵み 大塚にんじん」

山梨Made「食べるぶどうジュース」



華やかな立食パーティー

乾杯の模様

初参加9名、総勢51名でのパーティーは、日本大学大学院教授の平田光子さんの乾杯でスタートしました。
昨年、大きなお腹で参加された方が、無事に出産されてのご参加、また新たなスタートを切った方など、美味しい料理とお酒に舌鼓を打ちながら、さまざまな話題に花が咲き、会場は大いに盛り上がりました。

ライブの模様

パーティーの後半は、初参加者に一言ずつご挨拶をいただき、2015年にCDデビューを果たしたキャリア研究会副会長の小林千早都さんが歌声を披露。ピアノ伴奏の菅原さんは「ア・イ・ノ・キ・セ・キ」の作曲者でもあり、小林さんのライブでもすっかりおなじみです。
相変わらずパワフルで繊細な歌声に皆さん聞き入っていたようです。
最後は全員で中島みゆきの「時代」を歌いました。
音楽は、聴いたり歌ったりすることで、脳が活性化されるのだそうです。参加された皆さんの表情もとてもキラキラされていらっしゃいました。


一本締め

そして、久しぶりに参加された方々より近況報告をいただき、紀井規子さんの一本締めで新年会はお開きとなりました。

11年目を迎えたキャリア研究会は、更にパワーアップしてセミナーやイベント、分科会などを企画し、キャリアアップしたい女性のネットワーク作りの場を提供して参りたいと思います。 ご友人、知人、同僚とお誘いあわせの上、お気軽にご参加ください。

※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

 

今後の開催予定は、こちらから