キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2017年3月9日(木)19:00~21:00(開場18:20)
場 所ミューザ川崎 研修室3
会 費2,000円(軽食費込)
テーマ 自分を整えること
~アンガーマネジメント、レジリエンスをご存知ですか?
講 師 豊田倫子
コンピュータハウス ザ・ミクロ東京 代表
NPO法人コミュニケーションプロスぺリティ代表理事
参加者 22名(キャンセル2名)

 

セミナーの模様

3月9日の講師は、コンピュータハウス ザ・ミクロ東京の代表で、認定レジリエンストレーニング講師やアンガーマネジメントファシリテーターとして人材育成研修などにも力を注いでいらっしゃる、豊田倫子さん。
通常、アンガーマネジメントは90分、レジリエンスは2日間の研修として実施されるそうですが、今回は60分という短い時間の中で、両方のポイントと、なぜアンガーマネジメントやレジリエンスがリーダーに必要なのかを中心にお話いただきました。

アンガーマネジメントとレジリエンス

豊田さんは、アンガーマネジメントファシリテーター、そして認定レジリエンストレーニング講師でいらっしゃいます。大学で児童心理学を学ばれましたが、IT業界へ就職。
その中で、様々なストレスによりうつ病や胃潰瘍などの病気を抱えてしまう人が多いことから、一念発起しメンタルトレーニングを始められ、現在に至ります。

みなさんは「アンガーマネジメント」と「レジリエンス」をご存知でしょうか?
アンガーマネジメントは、怒りや苛立ちといった感情をコントロールし、未来に向けてどう問題を解決すればいいかというソリューションフォーカスアプローチ。元々アルコールや薬物などの依存症を治す為の心理トレーニングで、それを一般にも適用するため日本に持ち込まれたそうです。
レジリエンスは、ポジティブ心理学の一つで、精神的回復力を高めるための心理教育です。これはアメリカからヨーロッパに広まり、5年程前に日本に入って来たそうです。豊田さんは0期のトレーナーでいらっしゃいます。
ポジティブ心理学には医学的実証があり、ネガティブもきちんと認めている点が他の心理学と異なるとのことでした。

東南アジアは心理面の教育が遅れているそうですが、その中でも日本は一番遅れているとのこと。現在は日本でも、市町村や学校単位でアンガーマネジメントやレジリエンスが取り入れられているそうです。


なぜアンガーマネジメントとレジリエンスがリーダーに必要なのか

これまでの「リーダーシップ」は、第三者(部下)を指導することが求められていましたが、最近は「セルフリーダーシップ」にシフト。自身を整えることが主流になってきているようです。

まず、組織がエンゲージメント(モチベーション、やる気)を高めると、社員の定着率や業績や利益率を高めることがわかっているそうです。
また、自己効力感と感情の関係を見ると、自己効力感が高ければ幸せと感じ、自分は役立っているという自己肯定感が高い傾向にあるようです。
自己肯定感を感じる人の比率は、アメリカが57%、中国42%、韓国20%。これに対し、日本は7.6%と非常に低いそうです。

では、自己効力感を高めるためには何が必要なのでしょうか?
リーダーは部下にとって一番身近なロールモデルです。
一番良いのは直接的な達成経験をすることですが、ロールモデルでの代理的経験、そして励ましなどの言語的説得やムード(生理的情動的喚起)により、自己効力感が高まるという研究結果が出ているそうです。

例えば、リーダーが朝から機嫌が悪かったらどうでしょうか。職場の雰囲気が悪くなり、部下たちは仕事に身が入らないでしょう。
そこで、「自分を整える」「感情をコントロールする」ために注目されているのが、アンガーマネジメントとレジリエンスです。


 

アンガーマネジメントと怒りの正体

では、「怒り」の正体とは一体何でしょうか?
それは「べき」。「こうあるべき」「そうすべき」という、理想と現実のギャップが怒りの正体。
「アンガーマネジメントの3つの暗号」の中には「思考のコントロール」があるそうです。
他人の思考を、「自分と同じ思考」「異なるが許容範囲の思考」「許容できない思考」に分類し、「許容できない」ことはきちんと相手に伝えることが大切とのことでした。また、組織であれば、ハラスメントを回避するために明文化することが重要なのだそうです。

アンガーマネジメントは、自分の怒りをどう調整するかという心理トレーニングです。
「変えられないのは他人と過去、変えられるのは自分と未来。」「感情だから怒りがあるのは当たりまえ。怒っていいんです。怒り方が問題です。」と豊田さん。
怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らないようになること、それがアンガーマネジメント。「あの時、何であんなふうに怒っちゃったんだろう…」と怒りを後悔しないことだといいます。

怒りには、高いところから低いところへ流れる、伝染しやすいなどの性質があるそうです。ですから、リーダーは自分の感情を整えておくことが必要なのだとか。
そして、怒りは自分の持ち物なので、他人の怒りに飲み込まれて一緒に怒ってはダメ。もし、誰かから怒りの対応をされたとしても、自分のところで止めましょう、周りに伝染させてはいけない、というのがアンガーマネジメントなのだそうです。


レジリエンスとは

レジリエンスは、ポジティブ心理学の一つで、精神的回復力を高めるための心理教育です。
精神的に落ち込んだ時、何故失敗したかを考えます。人は失敗から学ぶことで、そこから這い上がった時、以前よりも成長します。
落ち込みから早く脱出するための方法や、脱出後にレジリエンスマッスルを鍛える方法も教えてくださいました。
その一つとして、自分の強みを把握しておくことは特に大切なことだといいます。
自分の強みベスト3を知っておくことで、どん底から這い上がってくるときに力を発揮できるのだそうです。
これはWebサイトで診断できるそうですので、是非お試しください。
強み診断ツール「VIA-IS」
http://www.positivepsych.jp/via.html



今日から行えるトレーニング

ポジティブ感情を形成するために、簡単に実践できるトレーニングとテクニックを教わりました。最後にその一部をご紹介します。

1)不平不満、愚痴、悪口を言わない。
2)感謝する(これは「最大の薬」「ネガティブ感情の消しゴム」と言われているそうです。)
3)瞑想(呼吸法:鼻から4秒で息を吸い、2秒止め、4秒で吐く。これを20回行う。)
4)マインドフルネス(呼吸法をする際、息をつねに感じること。)

「人の50%は遺伝、10%は環境、そして40%は考え方。人生の40%は考え方で変わります。怒りはためないこと。自分に合う方法を見つけて、是非心を整えてください。」と豊田さん。
「過去と他人は変えられません。でも未来と自分は変えられます。」
この言葉が心に残りました。

これはダイエットと同じで、継続することがポイントのようです。自分に変化が起こったり、習慣となるには2ヵ月程はかかるのだとか。
確かに、何十年もかけて形成されたものですから一朝一夕には変えられませんが、何かひとつでも習慣付けられたとしたら、その経験は自信となり、次のステップに進めるのだと思いました。


今回は早々と定員に達し、残念ながら受講できない方もいらっしゃいました。
アンケートでも、もっと時間をかけてお話を伺いたいという声もございましたので、機会がありましたら開催できればと思います。

今後もいろいろなセミナーやイベントを企画しております。
ご都合に合わせ、是非ご参加ください。


受講者の声

   
  • 一度アンガーマネジメントを受講したことがありましたが、講師の方によってまた違うポイントでお話をいただき、知識のブラッシュアップになり、楽しく受講させていただきました。
  • もっと時間をかけてお話をゆっくり伺いたかったです。
  • 家庭で感情にまかせて怒ることがよくあるので、6秒待つ、ゴムパッチンなどして感情を整え、自分が幸せを高められるようにしていきたいです。
  • 言葉、イメージ、感情、考え方をプラスの方向にむけることが大事ですね。
  • (アンケートより抜粋)

    ※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

     

    今後の開催予定は、こちらから