キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2016年7月20日(水)開場18:20 開始:19:00~21:00
場 所ミューザ川崎 研修室2
会 費2,000円(軽食費込)
テーマ 個人もチームもパワーアップする『ライティング技術』を磨こう!
講 師 株式会社ハーティネス 代表取締役 テクニカルライター 高橋慈子
参加者 23名(当日キャンセル1名)

 

セミナーの模様

7月20日の講師は、株式会社ハーティネスの代表取締役であり、テクニカルライターの高橋慈子さん。
「個人もチームもパワーアップする『ライティング技術』を磨こう!」と題し、お話いただきました。

テクニカルライターとは?

「私が好きな肩書きは、株式会社ハーティネスの代表取締役 テクニカルライターです。」
自己紹介でそう言われた高橋さんは、技術系出版社勤務、フリーのテクニカルライターを経て、1988年株式会社ハーティネスを設立。長年「テクニカルライター」として活躍され、大学の非常勤講師や、これまで多くの書籍を執筆されています。

「テクニカルライター」は、主に取扱説明書やマニュアル等を執筆します。
日本ではまだまだ認知度が低い職種のようですが、最近はWeb上での情報伝達や、海外へ輸出される製品ドキュメントが必須となったことで仕事の幅は広がっているとのことです。また、企業でのビジネス文書のライティングにも共通する部分が多いそうです。


実用的なライティング技術

みなさんの中にも、文章を書くのが苦手という方がいらっしゃるのではないでしょうか。
セミナーの冒頭、「テクニカルライティングは、国語や作文の得手不得手やセンスの有無とは関係ありません。」と高橋さん。この言葉を聞き、希望の光が見えた参加者も多かったと思います。
ビジネス文書は小説等とは異なり、実用的に情報を伝え、それを行動につなげるためのもの。読む人全てに、同じように受け取ってもらうためのライティング、それは技術であり、国語や作文が得意ということやセンスとは関係ないと考えられているそうです。

ビジネスコミュニケーションスキルの肝

今回のセミナーは短時間のため、ライティングがコミュニケーションスキルの一つであるということを中心に、実習を含め、教えていただきました。

まず、わかりにくい文書には、「理解に時間がかかる」「期待する行動と異なった行動につながる」等の問題点があり、結果的に自分の評価ダウンにつながってしまいます。
変化がある時代だからこそ、一人ではなく、チームの中でコミュニケーション、コラボレーションしていく力が必要。文書も自己アピールだけでなく、チームで活用でき、チーム力を高める作り方と運用が重要になってきていると考えられているそうです。

「個人もチームもパワーアップする『ライティング技術』」と、セミナータイトルにもあるように、求められる文書は、「簡潔でわかりやすく、目的が相手にスピーディに伝わり、次の行動につがる」もの。これがビジネスコミュニケーションスキルの「肝」とのことでした。

問題点の洗い出し

これらのお話を伺った後、文書のわかりにくさを洗い出すためのワークを実施しました。
書く前に「なぜこう書くのか」「それの何が問題なのか」を洗い出すことで、より文書が書きやすくなるのだそうです。
用意された2つの例文、社内メールと製品説明文を読み、それぞれの問題点を洗い出してみました。
皆さんからは「一文が長くてわかりづらい」「改行がない」「口語を使用している」「あいまい」等、多くの問題点が指摘されました。これを改善するポイントは、「読み手を意識する」「目的を明確に」「ロジカルに構成を組み立てる」等の5つで、推敲と第三者の校正で効果的にチェックすることも大切だと教わりました。

伝わるライティング技術

では、相手に伝えるためにどのような技術が必要なのでしょうか?
まずは、文書に必須要素(日付、宛先、発信者、タイトル、概要、本文)を的確に書くこと。例えば、メールの件名は、文書の目的を明確に伝えるための大切な情報です。「~について」というタイトルを使う方も多いのではないでしょうか。これは曖昧なので、「~の報告」「~のご提案」等、必ずキーワードを使うことがポイントなのだそうです。

また、1文を短く、2つ以上の内容を1文に盛り込まない、「~なので」「~ですが」でつながないことも目的を伝えるための技術。例えば「火傷をする恐れがありますので、ランプに手をふれないでください。」ではなく、「ランプに手をふれないでください。火傷をする恐れがあります。」というように、大切なことは先に書くこともポイントなのだそうです。
実用文では名詞形にせず、動詞を使うこと。例えば、「設定を行います」ではなく「設定します」とすることで、相手の行動につながる文書になるとのことでした。


実践してみる

セミナーの後半では、例題で問題の多かった社内メールを、実際に書いてみました。
それぞれ書き方は異なりましたが、隣の人と照らし合わせたり、意見をもらうことで、更なる改善点などを得られたようです。

ドキュメントレビューに関しては、職場などで後輩等の指導をする場合、必ずポジティブフィードバックを1つ入れることが大切なのだそうです。問題点の洗い出しだけでなく、良かった点を伝えることで自信になり、技術力アップにもつながります。

個人もチームもパワーアップ

ライティング技術を磨くためには、まず「適切な型を知って実践する」、もう一歩洗練させたい場合は「読み手に響く表現を使う」、そして「相互にレビューし、チームで改善する」と良いそうです。書き方を共有したり、使用する構成や言葉を共通化したりすることで質が高まり、チーム力もアップします。
また、高橋さんはボキャブラリーを磨くために、ビジネス系雑誌のWeb版の見出しやキーワードを常にチェックしているそうです。

情報発信は女性の方が得意なのだとか。
今回教わったことは、仕事や日常でもすぐに活かせる内容とあって、参加者の皆さんはよりパワーアップしたようでした。

この後の質疑応答では、メールタイトルの書き方や、一文の適切な文字数、句読点の付け方等、より具体的な質問が飛び出しました。
高橋さんのわかりやすい説明や、明確な回答に、皆さん大きく頷く場面が多く見受けられました。
きっと目からウロコがたくさん落ちたのではないでしょうか。


今回のセミナーは、受付締切日を待たずに満員御礼となり、残念ながら受講できなかった方がたくさんいらっしゃいました。
「是非、第二弾も開催して欲しい」という意見も聞かれましたので、実現に向けて、調整して参りたいと思います。


高橋慈子著「SEの文書技術」 日経BP社

amazonでも購入可能です




今後もいろいろなイベントを企画中です。
ご都合に合わせ、是非ご参加ください。


受講者の声

   
  • すごくよかった。わかりやすかった。続編を強く希望します。
  • わかりやすい文書が何故必要なのか。どう改善できるのか、具体的な方法を学ぶことができました。反省点も見つかったので、早速業務に活かしたいと思います。
  • 質問に対しても、明確な回答で、大変勉強になりました。普段の自身の業務の振り返りにもなり、また、即実践に活かせる内容でありがたかったです。
  • ライティングは日々の業務の大半をしめているにもかかわらず、本日の内容は目からウロコのことばかりでした。1度きちっと学ぶ必要を感じました。「相手の行動につながる」「読み手にスピーディに伝わる」というフレーズが心に残りました。
  • (アンケートより抜粋)

    ※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

     

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