キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2014年12月03日(水)開場18:20 開始:19:00~21:00
場 所ミューザ川崎 研修室2+3
会 費\2,000(軽食費込)
テーマ 仕事と育児の両立 VS 義務と権利 -楽しく長く働き続けるために-
講 師株式会社日立製作所 池田麗子
参加者 23名

 

セミナーの模様

12月3日のセミナー講師には、株式会社日立製作所 池田麗子さんをお迎えしました。

日立製作所で主管技師(部長相当職)とエバンジェリストを兼任されている池田さんは、特技に「英語での交渉とプレゼン」を挙げられるように国内はもとより海外でもご活躍中です。
一男の母でもあり、趣味はピアノ、クラシックバレエ、ワインティスティングと、理想のワークライフバランスを実現されていらっしゃる池田さん。しかし、これまでの道程には様々な苦労や困難もあったとか。
今回は、ご自身の経験を基に「仕事と育児の両立 VS 義務と権利」と題して、楽しく長く働き続けるためのポイントをお話いただきました。

働くことは生きること

池田麗子さん

1987年大学卒業後、日立製作所に女性総合職第一期生として入社された池田さん。
その前年に男女雇用機会均等法が制定されたこともあり、池田さんのキャリアは順調なスタートを切りました。グローバルプレイヤーを目指して勉強した英語を活かし、配属先では英文ドキュメンテーション開発と欧米顧客とのリエイゾンを務められ、結婚、出産を経て、2003年には課長、2008年は部長へ昇格されました。
1992年育児休業法が施行されたこともあり育児休業を1年間取得、復職。
「制度面で背中を後押しされ、本当にラッキーだった」と池田さん。
しかし、自らが導き出した「働くことは生きること」という答えに辿り着くまでの道程には、様々な困難と葛藤があったようです。

マジョリティとマイノリティ

「国立・理系・男性」(マジョリティ)が大多数を占める会社の中で、「私立・文系・女性」(マイノリティ)の池田さんがまず直面したのは、希望する海外業務研修と海外赴任のチャンスに恵まれなかったこと。最終面談まで行くも、「国立・理系・男性」に機会を奪われてきたそうです。
何故かと問いただした上長の口から出た言葉は、「君が男だったら」「いつお子さんができるかわからない」。これに対し池田さんは「絶対に課長になってみせます!」と宣言。その後100人規模のプロジェクトを取りまとめ、海外出張をし、課長、部長へと昇格、宣言通りこれを果たします。
順風満帆に見えた入社22年目に、突然畑違いの部署へ異動となりました。これまでのキャリアが仕事に活かせない喪失感から、初めて「会社に行きたくない」と思ったそうです。
それでも、社外の人脈作りや社外セミナーを受講しながら、嵐が通り過ぎるのを待った池田さん。結果、1年で再異動となり、英語でのプレゼンと交渉力を買われ、エバンジェリストに抜擢されました。もし自身が男性だったならば3年は放っておかれたかもしれない状況に、上長から「男だったら」と言われた池田さんは「このときばかりは女でよかった」と思ったのだそうです。

仕事と育児の両立

32歳で出産された池田さんは育休中に自身が専業主婦に向かないと痛感し「自分にとって働くこととは何だろう?」と自問自答を繰り返したそうです。 そこで導き出した答えは「働くことは生きること」、「仕事は楽しいから長続きする。楽しく長く働き続けよう」というものでした。

復職後はお子さんの急な発熱や感染症などによる病院通いが続いたそうです。朝はご主人が保育園送りを担当されるも、会議や出張でできないことも。そこで仕事と育児を両立するために、職住近接を狙い、会社から片道5分の場所へ転居されました。
裁量勤務となり勤務時間の自由度が上がると、学校行事へは積極的に参加。定時後に一旦帰宅して家事をこなし再出勤。そのまま深夜まで仕事をすることも多かったとか。
職場では、有給休暇は子供の病気の時だけに使い、その際も「申し訳ありません」の一言と、周囲のサポートと理解にいつも感謝を忘れなかったそうです。
また、残業できる日を作りリカバリーするなど、制度を権利とばかり捉えずに、きちんと義務を果たしながら仕事と育児の両立ができる環境づくりを心がけられました。


楽しく働き続けるために

自身の性格を「究極ポジティブシンキング」と分析する池田さん。
スクリーンに映し出された「何とかなるさ、何とかするさ」という言葉には、楽観的ポジティブシンキングと、大きな責任感が含まれています。
そのエレガントな外見の中に、実は「気合いと根性」「仕事も子育ても趣味も欲張りに生きる」という強さがある池田さんですが、楽しく働き続けるために必要なことは、妻、母、嫁として「満点は目指さない」ことなのだとか。頑張りすぎない、完璧を目指さない、期限のある子育てを楽しむこと、そして「楽しいことをするのではなく、することを楽しむ」ことを日々心がけているそうです。「仕事が上手くいっているから機嫌がよくなるのではなく、機嫌がよいから仕事が上手くいく」「当たり前のことを馬鹿にしないでちゃんとやる」これらが楽しく働き続けるためのポイントとのことでした。

そして、働くママだから「キャリアアップ」「子育て」「自分磨き」ができないはウソ。
「考えは言葉となり、言葉は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格は運命となって表れる」というマーガレット・サッチャー氏の言葉を引用し、「自分の心の中にこうありたいという強い意志を持ち、それに向かって必要な努力をすることが、楽しく長く仕事を続けるために必要なこと」とまとめられました。

実は前日まで風邪発熱で危ぶまれた今回のセミナーでしたが、「なんとかなるさ。なんとかするさ」の言葉を自身が実証くださいました。
この他にもレポートに書ききれない多くのお話をしてくださった池田さん。
輝くオーラを身にまとい、次に目指す場所はどこなのか。その答えを私たちが知るのにさほど時間はかからないかもしれません。


懇親会の様子

質疑応答では、「仕事を辞めたいと思ったことは?」「ゆるキャリ派の部下を引き上げるためにはどうしたらよいか?」等々、たくさんの質問がありました。
池田さんが答えられたどの言葉にも、まず大切なのは「自身の思い」であることが感じられました。






懇親会の様子

今回も初めて参加された方が2名いらっしゃいました。
恒例となった懇親会も開かれ、様々な情報交換や意見交換がされました。
いつものように、あっという間に終電の時間。
2014年最後のセミナーは、盛会のうちにお開きとなりました。



受講者の声

   
  • とても楽しく聴かせていただきました。大変な思いをされたと思うのですが、良いことも悪いことも楽しくこなすことが美しさの秘訣の一つでしょうか。これから私も頑張ろうと思いました。ありがとうございました。
  • 池田さんの明るいパワーを頂きました!そのパワーの源は幸運、努力、信念なんだなぁと思いました。ありがとうございます。
  • 元気を頂きました。機嫌が良ければ仕事が上手くいくというフレーズが印象的でした。

(アンケートより抜粋)

※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

 

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