キャリア研究会:女性のためのネットワーク作り

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自らを少しでも高めたい、仕事と家庭を両立したい、そんな女性たちにネットワーク作りの場を。キャリア研究会

活動履歴

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開催報告

開催日 2014年5月28日(水)開場18:20 セミナー:19:10~20:20
場 所 ミューザ川崎 会議室2+3
会 費 \2,000(軽食費込)
テーマ違和感を楽しむ ~仕事を通じて得たもの~
講 師 株式会社日立ソリューションズ 小嶋美代子
参加者 23名

 

セミナーの模様

5月28日のセミナー講師には、(株)日立ソリューションズでダイバーシティを推進、成果を上げ、国内はもとより国際会議でも数多く講演をされている小嶋美代子さんをお迎えしました。

現(株)日立ソリューションズに入社後、金融機関システムの開発者、また社内・お客様向け先端技術教育担当として従事されていた小嶋さんは、会社の合併に伴い東京へ転勤され、ブランドマネジメント室を経て、現在ダイバーシティ推進センタのセンタ長として活躍されています。
今回は女性リーダーの育成を中心に、前半は日立ソリューションズにおけるダイバーシティ推進の取り組み事例などについてお話しいただきました。


ダイバーシティ推進の課題・事例

小嶋美代子さん

ダイバーシティとは、雇用機会均等や多様な働き方を受容する考え方として使われている言葉です。
国内においても、性別、価値観、ライフスタイル、障害などの本質的な観点だけでなく、将来的な少子高齢化による労働力人口の減少等に対応した人材確保の観点から、ダイバーシティを推進する企業が増えています。

日立ソリューションズでは、女性従業員の割合は全体の12.5パーセント。この数字は、日本の女性管理職の比率よりも低く、さらに女性管理職は3パーセント、これを増やすべく「女性リーダー育成の加速」「女性のキャリア意識醸成」「管理職の意識改革」を課題にダイバーシティを推進しているとのことでした。
研修やジョブローテーションなどを実施し、リーダーの育成を図っているそうですが、特に重要なのが「意識改革」。一番効果的なのは「自分がロールモデルとなり人前で話すこと」だそうで、これがスキルアップと自信につながり、キャリア意識が芽生えるのだそうです。
また、女子大学生と女性社会人の交流や、大学生と社会人がフラットな関係でプロジェクトを立ち上げるといった取り組みが事例として紹介されました。


ダイバーシティ・マネジメントの5つのパラダイム

セミナー風景

ダイバーシティ・マネジメントの5つのパラダイム「抵抗」「同化」「多様性尊重」「分離」「統合」。多くの企業は「分離(違いをビジネスに活かすために、マジョリティから分離する)」から「統合(違いを全体的に活かすため、マジョリティと混在させる)」へ向けて取り組んでいる段階とのこと。
ダイバーシティ・マネジメントにおいては、アイデンティティをお互い尊重し、一旦「分離」するというプロセスはとても大事で、これを経ることで統合しやすくなるのではないかと言われているそうです。

ダイバーシティには大きく分けて「デモグラフィー型(性別、国籍、年齢などの目に見える属性についての多様性)」と「タスク型(能力、経験、職歴などの直接の業務に関わる属性についての多様性)」があり、おざなりにされやすいが「タスク型」を目指すべきだと話されました。


違和感を楽しむ

セミナー風景

今回のセミナータイトルは「違和感を楽しむ ~仕事を通じて得たもの~」。
違和感を“楽しむ”とは果たしてどのようなことなのでしょうか。
それはセミナー後半の、自身のお話しの中にありました。

小嶋さんは育った環境の中で、多くのマイノリティと接してきたようです。
日常の中で自覚する違和感と、それに対する不安、葛藤、衝突…。違和感や、感じるギャップは埋めようとする考え方が一般的と思われる方も少なくないと思います。
しかし、違和感を深く掘り下げて考えることでたくさんのことを学んできたという小嶋さんはこう言いました。
「無理に違和感を埋める必要はない。違和感の楽しみ方は、違和感を露呈させて学ぶこと。違和感の正体を考えることが成長へつながり、つながれば何かが起こる可能性がある。ぬるま湯に浸からず自ら外へ出て行き、自身が違和感のある存在でありたい。」
「違和感を楽しもう」これは組織人としてではなく、「小嶋美代子」個人がこれまで生きてきた中で得たものなのでしょう。

「働くことは生きること。手に職を持ち、自分の力で生きる。」

自身をもダイバーシティ・マネジメントされる小嶋さんの生きることに対する姿勢は、この言葉からも容易に窺い知ることができます。
さまざまな出会いの中で、どの出会いが次の一歩につながるのかを楽しみにしているという小嶋さん。既に、周囲に素敵な違和感をもたらす存在であることに間違いはないようです。



セミナー風景

質疑応答の時間では、みなさん自分と重ね合わせて聴講していたためか、しばし言葉が出ない様子でしたが、一人口火を切ると、次々と質問が飛び出しました。
「今後はどんな事をしたいのか?」「小嶋さんを氷山に例えると、今日は水面下の小嶋さんを垣間見ることができてよかった」など、これまで小嶋さんのお話しを聞いたことのある方たちも小嶋さんの「ホンネ」の部分に共感しつつ、深く考える時間となったようです。



懇親会の様子

今回は4名の方に初参加いただきました。
恒例の懇親会には、初参加の大学生を含む16名が参加し、様々な意見交換会となりました。



受講者の声

   
  • 自身をダイバーシティ・マネジメントしていくのは「目からウロコ」でした。
  • 小嶋さん個人の経験からのお話しで、心に残る内容でした。どうもありがとうございました。
  • 自分自身が女性としてのギャップということに悩んでいたので、とても良い機会でした。
  • ギャップを埋めようという取り組みをたくさんみてきたので、違和感をそのままにというのがいいと思いました。
  • 非常に面白い講演でした。ありがとうございました。ギャップについては「露呈」するという考えは初めて聞いたので、これから試してみたいと思います。

(アンケートより抜粋)

※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)

 

今後の開催予定は、こちらから