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開催報告
開催日 | 2014年4月15日(火)開場18:30 セミナー:19:00~20:20 |
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場 所 | ダイヤモンド社 9階会議室 |
会 費 | \2,000(軽食費込) |
テーマ | フリーランスという働き方 |
講 師 | フリーランスエディター 田中順子 |
参加者 | 25名 |
セミナーの模様
4月15日のセミナーは、フリーランスで書籍の編集、出版プロデュースをされる傍ら、大学院で医療管理政策学修士を取得され、医療の世界でも広報外部委員や事務局などをつとめる田中順子さんにお話しを伺いました。
フリーランスとは?
まずは「フリーランス(freelance)」の語源、言説から講演がスタートしました。
「フリーランス(freelance)」は、中世で兵士を指していた「free lancer」が、近世以降組織を離れて働く状態を指す言葉に変化したもの。
日本では、1985年には4人に1人だったフリーランス(自営業、家族従業者)の割合は、2012年では8人に1人と減少傾向にあるようです。
女性の場合は、仕事以外の義務(子育て等)や願望(田舎風ライフスタイル等)でフリーランスというスタイルで仕事をするケースが多いのだそうです。
OLからフリーランスへ
大学を卒業後、サンリオでファンシー商品の企画・販売をされていた田中さんは、その後、出版会社広報部で書籍の広告宣伝・販売促進業務に携わりました。
編集プロダクションで多数の企業広報誌等の制作に従事されていた頃はバブル全盛期。昼夜を問わず、仕事、仕事の日々で、睡眠もままならないような生活を送っていたそうです。
そんな中、結婚、出産されますが、その後も在宅で仕事は継続。
取材や会議の際はベビーシッターに、緊急時は母親に子供を預け、週1回は子供を連れて会社へ出勤というパワフルな数年を送られていたようです。
1994年に医師であるご主人の留学により渡米をきっかけに退職、フリーランス生活がスタートしました。
ロサンゼルスの日経情報誌の契約編集者として記事制作をされ、1997年の帰国とともに「田中順子事務所」を開設。出版プロデュースの仕事が始まりました。
人生7×3分割
90歳まで仕事で塗りつぶされた表
社会派ブロガーChikirinの日記で紹介されている「人生3×3分割表」。
人生の時間を20歳から80歳くらいまでの20年ごとの3つに分け、それらの時間を「仕事」「趣味(=自分の時間)」「家庭」の3つにどう配分するかを考える表です。
ワークライフバランスを図る表のひとつとして、ご紹介いただきました。
田中さんは、20歳から90歳までを10年単位として、7×3分割でご自分の人生を見せてくださいました。
「仕事ばかりの人生を送ってきたが、家庭の部分を考えなければと思った」と言う参加者の声も聞かれるなど、気付きとなった方が多かったようです。
仕事を続けてこられた理由
まずは本が好きであること。「死ぬまで本に携わる仕事がしたい」と田中さん。
仕事を続けてこられた理由には、ご主人をはじめとする家族の理解も大きかったと言います。
また、FAX、ワープロからPCへの移行、インターネットやホームページの普及など、テクノロジーの発展もタイミング良く、都度適応されてきたようです。
20年のフリーランス生活を振り返り、「様々な人との巡り合いと今も続くお付き合いがベースにあり、充実したフリーランス生活です」という言葉の中には、本が好きで、どんな形態であれ、書籍編集・出版プロデュース業を続けられてきた田中さんの中に通る『ぶれない芯』が垣間見えた気がしました。
これまでの取材、著述・編集メインから、これからは出版・営業、書店・宣伝サイドから読者コミュニティにつながる部分の仕事をしたいと田中さん。
「10年後、20年後はどんなご活躍をされているのだろう?」
ついそんなことを想像してしまうような素敵なフリーランサーのお話しでした。
質疑応答の時間では、「ジェネラリストとスペシャリストについてみなさんはどうお考えですか?」と、真っ先に田中さんから参加者への質問が飛び出しました。
大手企業にお勤めの方、少人数で仕事をされている方、起業された方など、様々な立場の参加者から次々と手が挙がり、活発な意見交換がされました。
今回は7名の方に初参加いただきました。
時間が足りないとばかりに、この後の懇親会にも16名が参加して交流。
閉店時間になるまで、熱いトークが繰り広げられました。
受講者の声
- ご自身のキャリアの中で、振り返って思われたお話しを伺って、たくさん共感するところがありました。子育てされながら一つ一つのお仕事にとても真剣に向かってこられたからこそ、たくさんの実績とつながりを得られたのだと感じ、私自身も田中さんのような絶妙なバランス感覚を身につけたいと思いました。ありがとうございました。
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働き方は年々多様化していると感じています。社会全体がそこに対応できておらず、課題は山積みですが、次世代のために道を拓いていく努力は必要だと思いました。
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人生のイベントとどう向き合ってこられたのか、具体的な話しでとても共感がもてました。
人生を「仕事・自分の時間・家族」にどう時間を振り分けるかはとてもわかりやすかったです。
仕事に対する姿勢がカッコよく感じました。家庭との両立された努力にも頭が下がりました。フリーランスで活躍するための覚悟(プロ意識)も伺い知れ、大変勉強になりました。
(アンケートより抜粋)
※講師の方の所属及び役職は、開催当時のものです。(敬称略)
今後の開催予定は、こちらから